しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「……え。何……?」
「何って、お礼」
心臓がはち切れそうなほど高鳴っている私とは裏腹に、レオくんは素っ気なく、こんなのなんてことない。とでも言うように肩をすくめた。
「お、お礼?」
「そ。 お礼」
ダメだ。
心臓が壊れる。
あり得ない。
「そんなぶっさいくな顔してっと壮吾にフラれんぞ。あ、ごめん。フラれたんだっけ」
「ふ、フラれてないよ。ってか、また今からくっつく予定なんだよ!!」
「あ、そ。 残念」
「……残念って」
口を尖らせながら言うと、
「残念」
と、もう一度つぶやいた。
「ま、本気で壮吾にフラれたら、こっちにくれば?」
「え?」
また目を丸めると、唇に手の甲をつけて、レオくんがプっとふき出した。
「冗談だし」
レオくんの冗談は、本気で困るよ。
冗談じゃ、済ませられないよ。
「また元に戻れるように、ちゃんと祈っとくよ」
街灯に照らされるレオくんが、また、フっとほほ笑んだ。