しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


私がコウ先輩を見上げると、意味深な笑みを浮かべた。


「壮吾。就職決まったんだよ」

「ほ、本当ですか?」

「大マジ。あいつ、今までにないくらい頑張ってたからなー。いくら知り合いの紹介だからとはいえ、あの壮吾が受かるとは思わなかったよ。美羽ちゃんと別れてから、無遅刻無欠席。あの壮吾が真面目に授業受けてる姿、想像しただけでウケるだろ?」


ハハっと、コウ先輩が笑った。


「それだけ、大切に思ってんだろ」


コウ先輩の横から入ってきたのは、クールな声のレオくんだ。


「あんたのこと」

「え?」

「壮吾は、そういうヤツだから」


口角を少しあげて、横目で私を見下ろしながらほほ笑んだレオくん。


そういうヤツだから……。


壮吾、今でも、私のこと少しでも想ってくれてるって思っていいの?


私ね、壮吾と別れてから、益々壮吾の存在が大きくなってるの。


こんなこと日和とかに言ったら笑われるんだろうけど、あたしの中は、まだ壮吾でいっぱいなの。


壮吾の名前を聞く度に、胸が高鳴って。


まるで、初恋のときのように、ドキドキが止まらないの。


ああ、やっぱり、私は壮吾のことが好きなんだなって、壮吾の横顔や後ろ姿を見たときに、思わず走りだしてしまいそうになるの。




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