しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「偉そうに。それぐらいしてくれなきゃ、柊先輩と同じ学年の意味がなくなるでしょ。ね、美羽」
コウ先輩の背中が見えなくなってから、今までコウ先輩が座っていた椅子に今度は日和が座った。
教室の入り口に向かって、あっかんべーをしている。
「日和」
「ん?」
「私、すごく嬉しい」
「………」
「すごく幸せで、壮吾とコウ先輩に、卒業してほしくない」
「……美羽」
「ダメだね。どんどん欲が深くなっちゃう。ずっと、この関係が続けばいいのにって。あと3カ月したら2人は卒業するのにさ、それを、素直に喜べないっていうか。5人で、ずっとずっと一緒にいられたらいいのにって。1年って、あっという間だね」
本当に、あっという間だった。
4月に、みんなと出会って。
ものすごい速さで、壮吾に恋して。
レオくんに心を開いてもらおうって必死で。
すれ違って、傷ついて、涙を流して。
それでも、一生懸命走ってた。
頭で考えるよりも、体が先に動いてた。