しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


吹奏楽部の演奏に合わせて、卒業生が入場してきた。


パチパチと在校生や保護者の拍手に迎えられ、卒業生全員が胸を張っている。


その中に、私の大好きな、壮吾の姿が。


だるそうに足を引きずって歩いて。

照れると、すぐに首の後ろをかく癖。

いつも右肩が少しだけ下がる歩き方。


ほらね。

壮吾の全部を覚えてる。


どうしてこんなにも、私の中は壮吾でいっぱいなんだろう。


どうしてこんなにも、壮吾のことが好きなんだろう。


コウ先輩や、レオくん。


周りには、カッコイイ人なんてたくさんいるのに。


それでも、私は壮吾を選んだ。


壮吾じゃなきゃ、胸が高鳴らなかった。


好き。

好き。

好きだよ、壮吾。


しつこいくらい言うけど、本当に、大好きだよ。


卒業、しちゃうんだね。


本当にお別れなんだね。



どうしよう。

寂しい……



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