しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
「取れた」
近づいてきた顔が、すーっと離れる。
「葉っぱ。上から、落ちてきた」
壮吾の手には、1枚の葉が。
困ったように眉間にしわを寄せて、ほほ笑んでいる。
……キス、してくれるのかと思った。
最後に、それくらいは許されるかと思ってたのに。
キスじゃ、なかった。
やっぱり、私の欲だけがどんどん深くなってるんだ。
壮吾の気持ちはどうなの?
『けじめ』
まだ、ついてないの?
私のこと、どう思ってるの?
確認したい。
だけど、言葉にできない。
「俺、就職決まったんだ」
「うん。 知ってる。コウ先輩に聞いた」
「そっか」
「うん」
私達の周りの空気だけが、ぎこちない。
お互いに、話しだそうとして、とどまって。
珍しくしめている壮吾のネクタイを、ずっと見ていた。