しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
これが、私の高校生活だった。
春、新しい制服に身を包んで校門をくぐり。
日和という、キレイな友達ができ。
コウ先輩と、レオくんと仲良くなって。
学校一人気者の壮吾に、恋をした。
いつでも制服をなびかせ、全力で走りぬけていた。
3年間、真剣に、壮吾のことを想って。
人を好きになるって、幸せなことだけじゃないんだなって、知った。
壮吾を好きになって、自分の弱さを知った。
辛い事を経験して、少しずつ大人になっていった。
オレンジ色に染まる、教室。
落書きの多い、黒板。
思い出を刻んだ机。
壮吾と何度もすれ違った、廊下。
3年間通い続けたこの校舎には、数えきれないほどの思い出が詰まっている。
たくさんの人に支えられ、卒業の日を迎え。
それぞれ、進学や就職をし、次の一歩を踏み出した。
桜の木の下で校舎を振り返ると、まだ幼かった私が、少しだけ成長した私を見て笑っていた。
手のひらを広げて、笑顔でバイバイと手を振っている。
私、あんな顔して笑ってたんだな。
瞼を閉じると、浮かんでくるのは笑顔だけだった。