しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
キモチ
「あら、出かけるの?」
玄関で靴を履いていると、背後からお母さんの声がした。
「うん。ちょっと出てくる」
「そう」
ヒールの靴を履いて、くるりと振り返る。
「帰り遅くなるかもしれないから、ご飯はいいからね」
「あまり遅くならないでよ。お父さんがうるさいから」
私は、肩をすくめて『いってきます』と家を出た。
日曜の昼過ぎ。
穏やかな時間が過ぎ、町はどこかのんびりとしていた。
休日を楽しむ家族の笑い声や、散歩を楽しむお年寄りたち。
思わず微笑んでしまう光景が広がっている。
レオくんの事は何もわからないまま、時間だけが過ぎていく。
学校ではやっぱり机に突っ伏していて、私はその背中を見てるだけ。
柊先輩にも日和にも、レオくんの事を何も聞けないままだった。