しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
電話で説明されたとおり、日和の家はすぐにわかった。
『目の前には小さな公園があって、2軒隣には小さな居酒屋があるからすぐにわかると思う』
ピンポーンとチャイムを鳴らす。
するとすぐに、中からパタパタと足音が聞こえてきた。
「あ、いらっしゃい。すぐにわかった?」
「うん。 日和の説明が上手かったからね」
私が言うと、日和は肩を上げてフフッと笑った。
「おじゃまします」
靴を丁寧に揃えて、日和が準備してくれたスリッパをはく。
と、その時。
「おせーぞ」
リビングの中から、私の心臓を高鳴らせる声が。
心臓が速く動き過ぎて、急に呼吸が苦しくなる。
声がしてからしばらくすると、リビングのドアから柊先輩が出てきた。
麦茶とグラスの乗ったお盆を手にしている。
「ったく。電話がきたらすぐに出かけられるように準備しとけよなあ」
眉間にしわを寄せた先輩は、まるで自分ちのように、『早く2階に行け』と顎でしゃくった。