しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~


夜風は少し冷たい。


半袖から出ている腕を軽くさすると、星空を見上げていた先輩の視線が私に向いた。



「寒いのか?」

「あ…… ハハッ。ちょっとだけ」


苦笑して、腕をさする手をさっと下した。


すると、先輩はぎこちなく首の後ろに手を当て、なぜかプイっとそっぽを向いた。


「悪い」


突然の言葉に、『えっ?』と先輩を見上げる。


「あ、いや。 ほら。普通はさ、かけてあげるもんだろ。 何か」

「何か?」

「いや、だから、その。 上着……とか」




< 76 / 400 >

この作品をシェア

pagetop