しあわせ色の恋~想いよ、永遠に~
夜風は少し冷たい。
半袖から出ている腕を軽くさすると、星空を見上げていた先輩の視線が私に向いた。
「寒いのか?」
「あ…… ハハッ。ちょっとだけ」
苦笑して、腕をさする手をさっと下した。
すると、先輩はぎこちなく首の後ろに手を当て、なぜかプイっとそっぽを向いた。
「悪い」
突然の言葉に、『えっ?』と先輩を見上げる。
「あ、いや。 ほら。普通はさ、かけてあげるもんだろ。 何か」
「何か?」
「いや、だから、その。 上着……とか」