黒猫-私の部下-
残念ながら照明は点いてしまったが、馬乗りになった俺の両手は既に彼女の首に回っている。
逃げるなんてもう遅い。
これは俺にとっても、、、彼女にとっても。
「とも、、、やく、、、んじゃな、、、ぃ!」
ようやく人違いだと悟ったらしい。
彼女は両目をいっぱいに開く。
涙で潤う目玉が飛び出してきそうだ。
「、、、んぐっ」
俺の両手はどんどん力を増すばかり。
彼女は低いカエルの様な呻き声をあげる。
両手は彼女の脈を感じている。
「、、、んぐぐっ、、、う゛ぐぐぐっ、、」
彼女は両足を激しくばたつかせて膝が俺の背中に当たる。
そして彼女は俺の手首に爪を立ててきた。
今の俺には手首も背中の痛みも感じない。
でも心は痛みを感じた。
「ごめんなさい、、、」
小さく呟き、俺の一粒の涙が彼女の頬に落ちる。
俺は最後に今まで以上の力を首を絞める両手に注いだ。