黒猫-私の部下-

でもその前に仕上げ。

持参したピンセットで彼女の爪の間から俺の皮膚を取り、ティッシュに包む。

そのティッシュで頬に付いた俺の涙と指先に付いた俺の血を拭き取る。

そっとズボンのポケットにしまう。

証拠隠滅。

撮影担当でも鑑識だ。

何で犯人を特定するかぐらい解る。

もう一度彼女を見下ろす。

さっきよりも首を絞めた跡が赤黒さを増している。

あ、、、電話。

翔同様、俺も報告しなきゃいけないんだった。

手紙の最後の行に書いてあった番号を携帯に入力する。

アイツは電話に出ると『ご苦労様』その一言を残して一方的に電話を切った。

俺は携帯をポケットにしまうと521号室をあとにした。

次の現場はココか、、、そんな事を思いながら。

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