黒猫-私の部下-
紫
僕は今、西野課長と共に現場へ向かっていた。
最近では一緒に行動する事が多く、パートナーの様な関係になっている。
被害者の名前、森岡春奈と聞いた時は僕の体がピクリと反応した。
ついに来た、僕の番が。
そう思った。
現場に着くと直ぐに現場検証が始まった。
被害者、森岡春奈は床で仰向けに倒れており、細い首にはくっきりと手形が赤黒く残っていた。
これを司がやったと思うとゾッとしてしまう。
司は僕の為にも実行してくれたのだ。
逃げ出すわけにはいかない。
僕も司の為に早く紫の物を探さなければ。
紫の物が何なのか大体の予想は付く。
怪しまれない程に部屋中を歩き回る。
、、、見つけた。
死体がある部屋とは別の部屋に、、、そこは被害者の寝室だった。
ベッドの隣にあるドレッサーにそれは置いてあった。
それとは、紫に輝く宝石だった。
別に驚きはしない。
予想通りだ。
強いて言うなら宝石の大きさに驚いた。
円盤のような形をして厚さは5㎜程だが、直径8㎝はあるだろうと言うような大きさだ。
僕は誰も居ない事を確認して、そっとコートの右ポケットにしまう。
僕は、、、やってしまった。