黒猫-私の部下-
僕は家に帰ると、アイツから送られてきた小包の中身をテーブルに並べた。
左から名前の解らない紫の宝石、ダイヤモンド、ブルージルコン、ルビー。
あと3つ何かを盗むんだ。
この流れからして残りも宝石だろう。
宝石を眺め、深く腰を下ろす。
そしてアイツに電話をする為に携帯を握る。
手紙に書かれていた番号を素早く打つとディスプレイには一人の名前が表示された。
既にアイツの番号は登録されていた事になる。
発信ボタンを押し、耳に当てる。
数回の呼び出し音が鳴り、想像通りの人物が出た。
『盗みは出来た?』
電話の向こうで不適に笑っているのが頭に浮かぶ。
「あぁ、やったよ。それより、、、」
言葉に詰まる。
『あら、どうしたの?』
コイツには聞きたい事が山ほどある。
だが、いっぺんに聞くと機嫌を損ねかねない。
「どうして殺す必要がある?」
『罪を償わずに生活していた。だから死んで罪を償ったの』
「罪って、、、」
『彼女は結婚詐欺。じゃぁ次も頑張ってね』
一方的に切られてしまった。
要するに僕らのターゲットは犯罪者。