黒猫-私の部下-
天宮脱獄
今日は雲ひとつ無い青空が広がっている。
いつも通りスーツに着替え、ソファーに座り珈琲片手に朝刊を読んでいると、珍しく西野課長から携帯に電話があった。
「おはようございます。どうしたんですか?」
『朝からすまんね。、、、実は刑務所から天宮が逃げ出したんだ』
「天宮が逃げ出した!?」
思わずオウム返しをしてしまった。
『あぁ、それで今日は家を出たら直ぐに捜索をしてくれ。何か情報を掴み次第、私に連絡をしてくれ』
「判りました。直ぐに捜査に向かいます」
『頼んだぞ』
パタンと携帯を閉じた音がやけに大きく感じられた。
それほど驚きが大きかったのだ。
直ぐに捜査に向かうとは言ったものの、手懸かりが何も無い。
とりあえず1人で刑務所に向かうことにした。