黒猫-私の部下-
亜理紗の後ろ姿を見送った後は真っ直ぐ自宅へ向かった。
自宅マンションの駐車場に車を止め、強烈な睡魔に襲われシートを倒して眠りについた。
携帯の着信音で目が覚めた。
ディスプレイには翔と表示されていた。
目を擦りながら電話に出る。
『もしもーし。あ、昨日はお疲れ』
「お疲れ。現場はかなり憂鬱だったよ。それより何か用があったんだろ?」
『実は天宮が脱獄したんだ』
ゴメン。
脱獄手伝ったの俺なんだ。
心でそう思うと、
「、、、あぁ」
素で答えてしまった。
『やっぱ知ってた?』
「いや、ただ、、、唖然としちゃってさ」
咄嗟に言い訳をする。
『そっか。司、今何処に居る?』
「今?家に居るよ」
正確には駐車場で車の中。
『今から天宮の家に行こうと思うんだけど』
「じゃぁ今から向かうわ」
『ありがと。じゃぁ天宮の家で落ち合おう』
電話を切り、亜理紗の自宅へ車を走らせた。