黒猫-私の部下-
床にうずくまった僕は立ち上がり走り出した。
奴らを捕まえる為に。
『待てぇェー』
叫びながら全力で奴らとの間を縮めた。
その勢いのまま徳井に跳び蹴りをした。
徳井は遠くに転がった。
険しい顔をした天宮が殴り掛かって来たが、その拳を掴んで手錠を掛けた。
黒猫逮捕。
先程遠くに転がって行った徳井が殴り掛かって来た。
その顔は殺意の塊。
徳井の拳は避けられずダイレクトに僕の頬に拳がめり込んだ。
口の中に血の味が広がった。
床に仰向けで倒れ、馬乗りになった徳井は拳をあげた。
僕は奥歯を噛み締めた。
だが、その拳が頬に当たる事はなかった。
何故なら課長に助けられたからだ。
僕の叫び声で駆けつけて来たらしい。
部下逮捕。
こうして課長の助けもあり、黒猫事件は幕を閉じた。
「まだ居たのか。もう遅い、翔も早く帰れ」
優しい笑顔で話し掛けて来たのは課長の西野功一(ニシノコウイチ)。
「はい。それじゃぁお先に失礼します」
笑顔で別れ、僕は車に乗って帰宅した。
家に着くなりベッドに流れ込む。
明日は久々の休日。
今日はもう風呂に入って寝よう。