黒猫-私の部下-

珈琲をいれ、ソファーに深く腰を掛ける。

司は珈琲を口に含んだ。

徳井からの手紙には、

『どうもお久しぶりです。
 徳井和彦です。
 僕も脱獄しちゃいました。
 亜理紗が死んだ今、君等のボスはこの僕だから。
 任務成功したら僕に連絡してくださいね。
 次の任務、2月5日ですよ?
 忘れてませんよね?
 失敗したら命はありませんから。
 これからも頑張って下さいね』

小馬鹿にする様に綴られていた。

文章の最後には新しい番号が書かれていた。

「5日って明日か」 

司が呟く。

僕はコクリと頷いた。

「翔にこれ渡しとかないと」

そう言って鞄から3つの茶封筒を取り出した。

「何それ?」

司は茶封筒を僕に差し出した。

中にはメモ用紙と写真が入っていた。

それは司の物と同じ物だった。

「俺のコピー。翔も手元にあった方がいいと思って」

「ありがと」

僕は5日と書かれているメモ用紙と写真を取り出した。

メモ用紙の字は緑色で書かれていた。

「白河愛美、性別女、25歳、秘書。2月5日、殺」

僕はまた住所以外を読み上げた。

写真には社長らしき人物の隣に居る秘書、白河愛美の姿が映っていた。

これも盗撮のようだ。

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