黒猫-私の部下-
緑
「酷いなぁ・・・」
西野課長は自分の腹をさすりながら言った。
僕は遺体を見て唖然としていた。
「口開いてるぞ」
西野課長に言われ、慌てて閉める。
「凄い量の薬物を使っていますね」
テーブルには血の付着した薬物が並んでいた。
LSD・・・コカイン・・・マリファナ・・・覚せい剤など。
注射器もあった。
「これだけ使ったら幻覚とか見えても、おかしくないですね」
僕はさり気なく被害者、白河愛美を自殺へと導く。
「自殺か?」
「僕はそう思いますけど」
「自殺には見えないけどなぁ・・・先に手首を切って片手で腹をここまで深く切れるか?」
白河愛美の腹部の傷を開く。
さすが課長なだけあるな。
でもこのままじゃ他殺になってしまう。
「人は興奮状態になれば信じられない位の力を発揮するんです。まして薬物を使っているんだから女性でも、ここまで深く傷付ける事は可能なんじゃないですか?」
「それもそうだな。他殺の証拠もないし。玄関の鍵も掛かってたし」
僕は心の中でガッツポーズをした。
そして白河愛美の首にぶら下がる緑の物に視線を移す。