黒猫-私の部下-
ナナシの小包
目が覚めたのは午後1時を過ぎた頃だった。
休日とはいえ寝過ぎてしまった。
ベッドから体を起こし、寝室のカーテンを開ける。
太陽の日差しが眩しい。
洗面所に行く為、部屋を出る。
顔を洗い歯を磨く。
今度はリビングに向かい、テレビのリモコンに手を伸ばす。
ソファーに座り、ニュースを見ていると玄関のチャイムが鳴った。
『宅配便でーす』
外から明るい声が聞こえる。
僕は玄関を開け、小包を受け取った。
「母さんからかな?」
僕の顔からは自然と笑みがこぼれる。
そっと小包をリビングのテーブルに置く。
僕の母親は時々小包を送って来る。
今回も母親だと思ったが、一応送り主の確認をする。
「、、、誰だよ」
送り主の名前は記入されていなかった。
だが間違いではなさそうだ。
届け先には僕の住所が書かれていた。
「開けてみっか」
カッターでガムテープを切り、ダンボールの蓋を開けた。
「な、、、何だよコレ」
中には見覚えのある物と、見覚えの無い真新しい真っ黒な封筒が入っていた。
黒い封筒を手に取る。
やはりそこにも名前は書かれていなかった。
だが僕は誰からか判った。
金色の線で、あるマークが描かれていたからだ。
封を開け便箋に目を通した。