黒猫-私の部下-
黒
次の現場、それは僕の最後の任務の場所でもあった。
部屋の中央には殺害された桃井光(モモイヒカル)。
勿論、女性だ。
彼女は全身に塩酸をかけられ写真の顔とは比べ物にならない程、ドロドロに溶けていた。
そして彼女の隣には、こめかみに銃弾を打ち込まれた司が倒れていた。
「つ・・・かさ、、、何で・・・」
僕は泣き崩れた。
きっと和彦に殺されたのだ。
司が死んでしまった今、僕には僕自身の命しか掛っていない。
自主しようと思ったがココまで来て、そんな事司が望んでいない気がした。
僕は黒い物を探す事にした。
部屋中隈なく探したが隠し金庫すら見つからない。
何処を探しても出てくるのは本ばかり。
不意に携帯が鳴る。
またも和彦からのメールだった。
_黒い本
ただそれだけのメール文。
よく見ると本はどれもカラフルな物ばかり。
その中から黒い本を探す。
そしてリビングの本棚に黒い本は置いてあった。
それは小説のような大きさで、とても薄い物だった。
カラフルな本同様に分厚い物を想像していたが、これだけ薄いと内ポケットに入るから助かる。