黒猫-私の部下-
内ポケットに入れる前に黒い本を見つめる。
きっと今まで僕が盗んだ物を和彦が取りに現れるだろう。
そしてその時僕は司の様に殺されるのだ。
でもそんな事させない。
殺される前に和彦に手錠をかけて連行してやる。
勿論、僕は逃げようなんて思わない。
ちゃんと自主して罪を償うつもりだ。
任務終了後、和彦に電話をした。
『空港まで持って来い』
その一言で電話を切られた。
僕はスーツケースに宝石6つと黒い本を入れ、手錠を忍ばせ司の車で空港へ向かった。
気付けば大粒の雨が降っていた。
車のラジオからは、これから嵐になると言っている。
空港に着き車を降りる。
すると見覚えのある黒い車が止まっていた。
ナンバーを確認すると自分の物だと判明した。
何故こんな所に・・・。
きっと和彦の仕業に違いないと僕は思った。
空港内に和彦の姿が見えた。
声をかけると警備員も居ない場所に連れて行かれた。
「ご苦労様ぁ」
そう言ってスーツケースに手を伸ばした。
今だ!!
僕は彼の手に手錠を掛けた。