黒猫-私の部下-
決着
和彦は、しまったと言う様な顔で此方を見た。
僕は和彦に勝ったのだ。
「もうお前の好き勝手にはさせない」
「お前たちですよ」
和彦は笑った。
僕は甘かった。
和彦の仲間に背後を取られ腕を掴まれた。
「はなせッ!!・・・っ!!」
こめかみに冷たい拳銃を突きつけられてしまった。
和彦は僕の手からスーツケースを奪い取る。
ニヤリと笑って僕のコートのポケットから手錠の鍵を取った。
「馬鹿ですねぇ。一人なわけ無いでしょ?僕には亜理紗が付いてるんだから」
亜理紗!?
彼女は火事で死んだはず。
背後で和彦の仲間が口を開く。
「んふふ。火事なんかで私は死なないゎ」
その声は間違いなく天宮のものだった。
「あの日私は**病院で死体を盗んだの。で、その死体を私の部屋で燃やしたってわけ。免許証なんて適当に入れておいただけ。貴方達が簡単に引っかかってくれて助かったゎ。それと車ありがと」
そんな・・・別の死体だったなんて。
「今までご苦労様。あの世で司が待ってるゎ」