黒猫-私の部下-
操り人形
頭の中が真っ白になった。
「何でそれを、、、」
『俺の所に手紙が届いてて、、、中見たらお前に小包送ったって。あのさぁ、今から会って話したいんだ。そっち行っていいか?』
「わかった。待ってる」
『10分ぐらいで着くから』
電話を切ると更に頭が白くなった。
電話の相手は杉本司(スギモトツカサ)。
港区警視庁の鑑識撮影担当で三年前の黒猫事件からの仲だ。
お互いに信頼できるパートナーをこの事件で失ったのだ。
司と和彦は兄弟の様にいつも一緒で、よく現場では僕も顔を合わせていた。
そんな司にも自分と同じ様にアイツから手紙が届いたなんて、、、。
アイツは一体僕等に何をさせたいんだ!?
玄関チャイムが鳴り、司が来た事を知らせる。
「お邪魔します」
司は男の僕が見てもカッコイイと思う。
背が高く顔は整っていてスタイルもいい。
僕の密かな憧れ。
「何か顔に付いてる?」
「いや。カッコイイなぁと思って」
「翔もカッコイイよ」
二人して歯を見せて笑う。
「あ、珈琲いれて来るから適当に座ってて」
「ありがと」
そう言って司はソファーに腰掛けた。