黒猫-私の部下-
決意
司はクリップを外してメモ用紙と写真をテーブルに並べた。
どうやら日付が近い順に左から並べたようだ。
「この人が最初か、、、」
司が一番左の写真を手に取り呟く。
そして僕はその写真とセットのメモ用紙を手に取る。
それは紫のペンで書かれていた。
「森岡春奈(モリオカハルナ)、女。24歳、宝石店店員。、、、2月2日、22時、殺」
住所以外を読み上げた。
「この人」
短い言葉と一緒に司は写真を見せた。
そこに映っていたのは、何処からか盗撮したらしく喫茶店のテラスで食事をしている所だった。
森岡春奈と言う女は、写真では判断しにくいが背が小さく、かなりの細身。
髪が腰まで伸びていて、黒縁眼鏡を掛けている。
その所為か知的に見える。
まぁ僕のタイプじゃないけど。
「2月2日って明後日だよな、、、」
写真を眺める僕に司が問いかける。
「あぁ、、、」
そう答えた後は、鳥の鳴き声以外何も聞こえなかった。
どれくらい沈黙が続いたのだろう、突然司が口を開く。
「そろそろ帰るゎ」
そう言って外を見る。
外はもうすっかり暗くなっていた。
司は直ぐに支度を済ませ帰って行った。
僕はベランダから司の車を見送った。
黒い車とともに。