アトヒトリ。
「…番号、最後"6"って書かれてたでしょ?…あれ"0"なんだよ?」
一生懸命思い出す
…確かに…0という数字ではなかったはず
「汚い字でへこんでただろうけど
あれ、郁美がアンタを助けようといてたんだって」
───嘘でしょ…?
「郁美にお礼言ったら?…ってもう言えないね?」
───言えない…って
「あたしだって椿を殺す気はなかったよ?
気がつかなければ、ね?
本当の死者は1人で済んだのに、あ~あ…ばれたらあたしどうなるのかな?」
そう言って沙織は
暗闇の中、光る金属を突き上げた
「ま、殺しは殺し。何人殺しても同じだよね?…だから
あとひとり、アンタに死んでもらうよ?」