雨の中で君を待つ。〜詩集〜
1番好きで1番嫌い
僕の1番好きな人は
1番嫌いな人でもある。
つまり、大好きだけど、大嫌いなのだ。
その人を見ていると、とてつもなく暗い何かが心を支配して、何もかも滅茶苦茶にしてやりたくなる。
僕はこんなにも君が大好きで、一人で苦しんでいるのに、君の心には僕の気持ちは届かない。
いや、“届かない”じゃない。
“届けたくない”のだ。
僕自身が、君に想いを知られる事を拒絶する。
君の笑顔が見たいから。
君の涙を見たくないから。
君に幸せでいて欲しいから。
君の事を守りたいから。
僕は君に想いを“届けない”。
ひっそりと独りで君を見つめて
苦しんで、涙して、嘆いて。
僕をこんな風にするのは君だけ。
だから、僕は君が大嫌いだ。
でも、世界で1番大好きなのだ。