sora
――「あっ!!そうだ、未亜!!」
帰り道でイキナリ菜月が大きな声をだす。
「なに?どしたの?」
「来週、せんぱいが引退するでしょ?」
私はアイスを食べながら、
「ふん。(うん)」
と返事をする。
「で、後輩で『感謝パーティー』的なのをやってあげることになったの。」
「まぢでー?!?めっちゃ楽しそー!!」
「でしょ?だから、このことは、せんぱいにはナイショねっ!!」
「りょうかーい♪」
―――せんぱい・感謝の会 当日――
『せんぱいっ!!今までありがとうございましたっ!!』
クラッカーの派手な音。
キラキラの飾り。
みんなの笑顔。
私はカメラ係で、あちこちの写真をとった。
「おっ!未亜ちゃん!撮ってるねー♪」
二年の相沢晃樹せんぱいに声をかけられる。
「はい!写真係ですから☆」
「そいえば、紹介すんね!コイツ、っ全然、部活来ねぇから、知らねぇと思うけど…。
おい!!拓夢っ!!こっち来いよ☆」
「ん?何、晃樹?」
拓夢って呼ばれたヒトがこっちにくる。
「コイツ、原田拓夢。ほんとは未亜ちゃんみたいに写真部のエースだったんだぜ?」
「うっせー。エースだったんじゃなくて、まだエースだろーが。」
「どこが?!部活に半年以上来てないお前がエースなわけねーだろ。」
2人が軽い言い争いをはじめる。
「あ…あ――ッッ!!パンくわえてたヒトだっ!」
「は…?」
「きょ…今日、昼間にパンくわえて、廊下走ってましたよね?」
一年の一ノ瀬未亜です!よろしくお願いしますっ!!」
「あ…よろしくな。」
原田せんぱいは、めんどくさそーな笑顔で私を見る。
ん…?
原田せんぱいは赤いネクタイをつけてた。