sora


――「あっ!!そうだ、未亜!!」

帰り道でイキナリ菜月が大きな声をだす。

「なに?どしたの?」

「来週、せんぱいが引退するでしょ?」

私はアイスを食べながら、
「ふん。(うん)」

と返事をする。

「で、後輩で『感謝パーティー』的なのをやってあげることになったの。」

「まぢでー?!?めっちゃ楽しそー!!」

「でしょ?だから、このことは、せんぱいにはナイショねっ!!」

「りょうかーい♪」




―――せんぱい・感謝の会 当日――


『せんぱいっ!!今までありがとうございましたっ!!』


クラッカーの派手な音。
キラキラの飾り。
みんなの笑顔。


私はカメラ係で、あちこちの写真をとった。


「おっ!未亜ちゃん!撮ってるねー♪」

二年の相沢晃樹せんぱいに声をかけられる。

「はい!写真係ですから☆」

「そいえば、紹介すんね!コイツ、っ全然、部活来ねぇから、知らねぇと思うけど…。

 おい!!拓夢っ!!こっち来いよ☆」

「ん?何、晃樹?」


拓夢って呼ばれたヒトがこっちにくる。

「コイツ、原田拓夢。ほんとは未亜ちゃんみたいに写真部のエースだったんだぜ?」

「うっせー。エースだったんじゃなくて、まだエースだろーが。」

「どこが?!部活に半年以上来てないお前がエースなわけねーだろ。」

2人が軽い言い争いをはじめる。

「あ…あ――ッッ!!パンくわえてたヒトだっ!」

「は…?」

「きょ…今日、昼間にパンくわえて、廊下走ってましたよね?」


一年の一ノ瀬未亜です!よろしくお願いしますっ!!」


「あ…よろしくな。」

原田せんぱいは、めんどくさそーな笑顔で私を見る。


ん…?


原田せんぱいは赤いネクタイをつけてた。
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop