終止符。
しっかりと包まれるると、こんなに安心できるものなのか…


「咲良…。」



「私…私ね、もう訳がわかんなくなってて家を飛び出しちゃったの。それでね、色んな事がグルグルグルグル回ってて…頭では分かってるつもりだけど、今でもまだ上手く整理できてなくて…」


涙が溢れている


「咲良…。いいんだよ。無理もないさ。ずっと俺を憎んでいたんだろ?…実を言うと俺だって不安だったんだよ。父親だって認めてもらえないんじゃないかって…。」


「…父さん。」


「だから咲良がいなくなった時、ちょっと安心したんだ。」


「…?」


「だって咲良は頑張り過ぎるから、心を許さない人には心配すらかけないだろう?涼子が言っていたよ…だから咲良が居なくなったのを知って、勿論心配は物凄くしたけどちょっと安心したんだ。…俺は親として見離されていないのかもしれないってね…。子供の心配するのは親の特権なんだよ。だから、咲良…心配かけてくれてありがとうな。」


「父さん…!」


温かい涙が、後から後から溢れてきて、何度でも私の頬を伝う。


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