終止符。
決断の時
私はどうしても、認めなければならなかった。

自分を、女として切り売り出来ないという事を。

それは自活出来ない事を意味し、つまり父の世話にならなければならない。

という事実。

悔しいけど、結局そうするしかない。

甘ったれな自分。

大嫌い。


ため息をつきながら棚をかき回す。

奥にしまい込んだ名刺を見つけ出した。


しばらく名刺を眺めた後で。

私は渋々、父の秘書である長尾に連絡を取る事にした。


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