終止符。
「はじめまして…」

母は昼も夜も働いていた。


「こんな所ではじめましてなんて言いたくなかったんだけど…。涼子ちゃんにそっくりなのね。すぐに判ったわ。」


それから律子さんは母が私を誇りに思ってたという事、本当は他の同僚も来たがっていたが昼の仕事の都合で来られなかった事、母は客にも慕われていた事などを丁寧に話してくれた。

母はその真面目な性格故に、客からの金品を一切受け取らなかったそうだ。

あの器量なら楽に稼げただろうに。

母さんらしい。

私ならきっと受け取る。

他にも母さんの昼の仕事の同僚や、友達が私に声をかけてくれた。

小さな式だけれど、思った以上の人が来ていた。

母さん、こんなに沢山の人に愛されていたんだね。

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