終止符。
門から家までの道には煉瓦が敷き詰められていて、その左右には綺麗に刈られた芝生が広がっている。

右側には噴水、左側には白くて上品な日傘とテーブル。

まるでオープンカフェの様な装いだ。

たどり着いた家は当然豪邸。

決して新しくは無いようだが、高級感や重厚さを感じる。

間違いなく、建設当時は最先端だったのだろう。

長尾が呼び鈴を鳴らす。

深みのある音色。


「あら、意外と早かったわね。今開けるわ」

「思ったよりも道が空いていましたので」

カメラが私達を映している。

少し待つと、重たそうな扉が開いた。


「ようこそいらっしゃいました。お待ちしておりましたよ…さあどうぞ」


玄関で私達を迎えてくれたのは、柔らかい笑顔が印象的な、年寄りの家政婦だった。

< 42 / 116 >

この作品をシェア

pagetop