終止符。
その様子を見て伯母が言う。


「やあね、涼子さんたらそんな事も貴方にきちんと教えてなかったの?」

「しょうがないだろう、涼子君は育ちが違うんだから」


香織は口元に笑みを浮かべながら何も言わず、洋輔は何ひとつ表情を変える事なく食事をしている。

私は奥歯で、肉ではないものを噛み潰した。


「徳田さん、箸持って来てあげて」


意外にも洋輔が気をきかせてくれた。

しかし相変わらずの無表情で、何を考えているかわからなかった。

こうして、伯母の家での生活が始まっていったのだ。

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