終止符。
「…それで?まだ飯田は見つからないの?早くしなさいよ!お金はきちんと払ってるんだから。ええ。事情は話したでしょう?弟が居ないうちに話をつけたいのよ」


声から伝わる緊迫感。

飯田?

…父が居ないうちに?


それが何の話かわからなかったが、決していい話ではないという事だけは伝わってきた。

正直動揺している。

けれど顔に出ない様繕う。

階段を降りていると、1階から洋輔が上がってきた。

軽く会釈をし、丁度踊場の部分ですれ違う。


「なぁ、何考えこんだ顔してるんだ?」


心を読まれた?

予期せぬ言葉に混乱する。



「あ…あなた何か知ってるの?」

「は?」


…私は何を言ってるんだろう?


洋輔の無表情が動いた。

何かに勘づいた様な、探る表情が伺えた。

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