終止符。
「…お母さまの事はなんと申し上げれば良いのか…。ただただ残念でなりません。大変良くしていただいたものですから…」


そこまで言うと、徳田は言葉を詰まらせ、下を向いた。


きっと母さんの事を思い出していたんだと思う。


「ねぇ、徳田さん。私達がここに住んでいた時の事を聞かせてくれませんか?私は小さかったのであまり覚えていないんです」


「ええ、喜んで」


徳田は再び、涙で滲んだ顔を上げて話し始めた。


< 63 / 116 >

この作品をシェア

pagetop