終止符。
「何の用ですか?」

洋輔に関わるとロクな目に遭わないきがして、口調がキツくなってしまう。


「そんな顔するなよ。別に何もしないよ」


そう言われても、油断をしてはいけない気がする。


「これを渡しに来ただけだから」


そう言って、洋輔は小さな封筒を差し出した。


「…これは何?」


「選択肢」

「は?」

「…じゃあ、それだけだから」


そう言い、洋輔は部屋から出て行こうとした。

が、ふいに立ち止まる。


「…それ、徳田がくれたの?」


視線の先は机の上の桔梗だった。


「…そうよ」

「徳田らしいね」

「え?」


「桔梗の花言葉はね…変わらぬ愛。なんだよ」



そう言い残し、洋輔は部屋を出た。

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