Last Sound
「簡単な話?」
楽が眉をひそめ、拓馬を睨む。
おいおい、顔が怖すぎるぞ。
「お前ら、知らないのか?
とっておきの秘策」
とっておきの秘策?
そんなもん知ってたらとっくの昔にやってるっつーの。
「とりあえずー…誰か生徒手帳、持ってない?」
「あ、私あるよ」
朝陽はそう言って鞄をあさると生徒手帳を出した。
生徒手帳?
そんなもん、どうやって使うんだよ?
「ちょっと貸してみ」
朝陽の手から生徒手帳を受け取った拓馬はペラペラとページをめくっていく。
そして
「あ、あった。
ここだよ、ここ」
そう言って1つの項目を指さす。
「…おい、なんだよ、これ」
「だから、とっておきの秘策だって。
どう?すごくない?」
いや、すごくない?
つーかすご過ぎるよ。
なんなんだよ、これ。
俺たち4人は顔を見合わせて思わず笑ってしまった。
拓馬が開いたページにはこう書かれていた。
『校則の改正には全生徒の3分の2以上の賛成と、生徒会の認定が必要である』