Last Sound
「いや…そんな。
波瑠斗くんに迷惑かけらんないよ」
「じゃあ、俺たちにみんなに迷惑、かけちゃえば?」
いつもの軽い調子で拓馬が言う。
「え?」
「だーかーら、朝陽の分は波瑠斗だけじゃなくて、俺も楽も澪ちゃんもカバーするよ、って話」
「いや…でも」
そう言う朝陽の言葉を澪が遮る。
「ここにいる全員さ、朝陽の人見知り度は分かってるワケだし、
遠慮する必要なんてないんじゃない?」
「じゃ、じゃあ!」
なぜか声が上ずっている朝陽。
「じゃあ、できるだけ私も頑張る。
だけど無理だったときはお願いしますっ!
手伝ってください」
ペコッと音が聞こえてきそうなお辞儀をする朝陽。
「俺たちに任せとけ」
代表で俺がそう答えると
顔をあげた朝陽にやっと、笑顔が戻った。