Last Sound
8時少し前。
だいぶ人が増えてくる。
「軽音部創設にご協力、お願いします」
そう声を張り上げる。
立ち止まってくれる人もいるが、
それでも大半は立ち止まってくれず、昇降口に吸い込まれていく。
「ダメだな、全然協力的じゃない」
拓馬がそう愚痴をこぼす。
「仕方ないさ。
辛抱強くやるしかないだろ」
拓馬に言いながら自分にも言い聞かせていた。
イライラするのは正直、俺も同じだ。
だけどイライラしたところで何も変わらない。
だから今は、ひたすら
「耐えるしかねーよ、拓馬」