Last Sound





「完全、言い負かされたな、あのセンセ」


しょんぼりした背中を俺たちに向け、校舎の中に入っていくさっきのセンセ。

そんな姿を見て拓馬が笑う。



「当たり前だろ。

これ、ちゃんと考えたんだから」


注意されるのは分かってた。

だからそれをどうにかしないと、そう思って昨日の夜生徒手帳と向き合ってたんだ。


そしたら署名活動においての規制はいっさいナシ。

ってことは俺たちがどんな方法で署名活動したって学校側に止められることはない、

つーことに気づいたんだな。



「よし、そろそろ最終集団が来るはずだからちゃんと声、かけろよ」


だいたいみんなが学校にまとまって来る時間帯は3つに分けられる。


まずは7時半過ぎの朝練メンバー

次に8時の余裕を持って登校メンバー

で、最後が8時20分のギリギリメンバー


まあ俺は基本、最終集団の中にいつも入って学校来てたかな。








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