Last Sound
「じゃあま、今日はこれくらいで。
助かったよ、拓馬。
朝陽はどうだ?」
「はい、これ!」
満面の笑みで俺にノートを渡す朝陽。
パラパラーと捲っていく。
「おー!すげーじゃん!
集まってんな、ちゃんと!」
朝陽は1ページ分、埋めていた。
俺や拓馬と比べれば少ないが、でも朝陽にしたら相当頑張ったほうだと思う。
「澪ー!楽ー!
どうだー?調子はー!」
昇降口の2人のノートも預かる。
「まあまあ、ってところだよね、あたしは。
でも楽は顔がいいだけあって、女子からすごい人気。
ビックリしたー」
と、澪。
「何言ってんだ。
澪こそ顔がいいだけあって、男子からすげー人気だったろーが」
と、今度は楽。
その後、2人はあーだこーだと言っていたが、
でも本当に澪の言うとおり楽のノートは女子の名前でいっぱいだったし、
楽の言うとおり澪のノートは男子の名前でいっぱいだった。
こりゃあ、すごい戦力だな、2人とも。