Last Sound
Traum
「はるとー!!
はるとーっ!朗報だぞーっ!!!」
あれから1週間。
まったくなんの進展もなく、
もしかしたら校長に握りつぶされたんじゃないか、
なんて楽が言い出した頃だった。
エトーがありえないほどのデカイ声で朝のホームルームに来たのは。
「はるとー!いるかー?!」
「いるよ!いるからもうちょい静かにしろ!
クラス全員ドン引きだぞ!」
え?…と言ってエトーは教室を見渡した後、あは、と笑って誤魔化した。
「で、何が朗報なんだ?」
「あ、そうだ!
これ、お前宛だ」
エトーはわざわざ俺の席まで紙を届けてくれる。
それを受け取って内容を読む。
横から拓馬が覗いているのが分かる。
「……マジ、かよ」
無意識に口から零れた。
そしてその紙を机に叩きつけて教室を飛び出した。