Last Sound




「よーし、じゃあ課題曲、いけるか?」


「準備完了」


あれから3日が経っていた。

場所は澪の防音室。


メンバーは俺、楽、朝陽、澪、美雪、そしてエトー。

エトーは来るな、って言ったんだけど

駄々こねるもんだから仕方なしに澪の家に連れてきた。



「美雪、大丈夫か?」


「大丈夫です。いつでも行けますよ」


美雪の歌唱力には驚かされた。


だって、あんな透き通る声を聞いたのは初めてで。

ロック調の曲を歌わせれば、すごい声量で堂々と歌う。


コイツしかいない、そう思わされた。



「朝陽は?大丈夫か?」


「うん、大丈夫だよ」



「澪は?いけるか?」


「もちろん。いつでもどーぞ」


「よし、それじゃあ行こう。

澪、頼んだ」


そう声をかけると


【カン カン カン カン』


と、澪がスティックを鳴らす。


そして俺たちは初めて、自分たちの音を感じた…








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