Last Sound
「まず、楽のG。
澪のM、朝陽のA、美雪のM、俺のH」
「え!俺の頭文字は?!」
エトーの抗議の声。
「はあ?何言ってんだよ。
エトー、顧問だけどバンドの一員じゃねーし。
そもそも、エトーの下の名前、知らない」
「ひ、酷いな!波瑠斗!
まあバンドの一員じゃない、っていうのは間違ってないけど!
だけどもう3年の付き合いだぞ!
下の名前くらい知っとけ!
俺は工藤 優樹(クドウ ユウキ)だ!」
「へー
ありきたりー
で、もういいか?エトー」
俺のかなりの適当な返事にエトーはかなり機嫌を悪くする。
「てめーなー!
波瑠斗!今度の今度はもう許さねえ!
覚悟しろよ!!」
「エトー、いいから座れ。
今、俺ら会議中」
楽の冷静な一言に打ちのめされたエトーは体育座りですねる。
おいおい、いったい何歳だ。
いい歳こいたおっさんがとる行動じゃねーだろ。
と、思いながら続きを始める。
「これ、並べたら単語になんのか?」
………しばしの沈黙。
「うん、ならねーな、確実に」
無理あるわ、このアルファベットじゃ。