Last Sound
「あ、ってかなんで楽はドイツ語なんて知ってんだよ?」
「いや、じいちゃん、ドイツ人で。」
「はっ?!ドイツ人?!
って楽、クウォーターじゃん!」
「まあそうなんだけど」
なんつーことだ。
俺、全然気づかなかったけど、
でもよく見れば若干、日本人離れした顔をしている。
「まあ、じいちゃんドイツ人でいろいろ教えてもらってるからな。
ドイツ語は旅行に必要な程度は喋れるよ」
よくもまあ、そんななんでもない、みたいな顔で言えるな、おい。
「ちなみに英語は?」
澪が興味津々な様子で聞く。
「まあ英語なら日常会話はいける」
なんつーことだ。
コイツ、日本語含めて三カ国語も話せるのか。
やり手だな、おい。
「じゃあ、歌詞は英語で頼んだぞ」
「はあ?!歌詞ってなんだよ!
聞いてねーよ!俺!」
「まあ興奮すんな、って」
と、なだめながらも英語が不得意な俺は一安心。
やっぱ歌詞には英語って必要だもんな。