Last Sound
「さて、最近暇な日々を送っていますが」
その日の授業後。
軽音部の部室に集まったメンバーはそれぞれが好きなことをしていた。
そこへ俺が声をかける。
「そろそろ、自分たちの曲を作ろうと思う」
「「「「え?」」」」
突然の俺の言葉に4人ともポカーンとする。
「なんだよ、いきなり」
参考書片手に勉強をしていた楽が言う。
「いや、ずっと考えてたことなんだ。
今、課題曲としてやってるカバー曲の完成度もかなり上がってきた。
そろそろオリジナル作ってもいい頃だと思うんだ」
「けどさ、学際でやるのが目標ならみんなが知ってる曲のほうがよくない?」
澪の意見も一理ある。
「まあそれもそうだと思うんだ。
だからオリジナルは1曲だけにしようと思う。
自分で言うのもなんだけど、
俺達、かなりいいバンドだと思う。
なのにオリジナルやらずにカバーばっかりやるのはやっぱりつまらないだろ。
そう思わないか?」
「そうだな。
波瑠斗の言う通りだと思う。
自分たちで作った曲を演奏するのはカバーやってるときよりずーっと楽しいぞ」
エトーの言葉にやっと、全員の納得を得ることができた。