Last Sound
テーマさえ決まれば詞を書くなんてこと、簡単だった。
…と、いうのはウソで。
もちろん、悩んだ。
それこそ、授業中にまで考えた。
そうして完成したのは
俺が決めた提出期限の1日前。
あの日からみんなとは会っていない。
だから全員書けてるのか知らないし、
うまくいったのかも分からない。
まあ明日になれば分かることだしな。
と、思っていたその日。
帰りのホームルームが終わると
「波瑠斗!」
と、名前を呼ばれ振り向くと楽、澪、朝陽、美雪の4人がいて。
「1日前だけど、これ」
そう言われ紙を受け取る。
「え…」
「全員、ちょうど今日書き終わったんだ。
だから波瑠斗がゆっくり家で読んで」
澪にそう言われもう一度手渡された紙を見る。
「ああ、分かった。
じゃあ明日、授業後部室で」
全員と別れて、俺は部室に向かった。
やっぱり、1人で考えるにはあそこが1番だと思うんだ。
にしても、みんな真面目だな。
提出期限は明日なのに全員、1日前に終わってる、なんて。
良かったよ、俺も今日完成できてて。
これでリーダーのメンツが保てた、ってもんだろ。