Last Sound
「あのなぁ…波瑠斗。
よく考えて見ろよ。
学祭は10月の頭だ。
約半年。その間にメンバー集めて、軽音部作って、学祭のステージで演奏、
って無茶だと思わないか?」
「…思うよ。
思うけど…っ!
だけど俺は絶対やってみせる!」
勢いよく立ち上がる。
イスが大きな音をたててひっくり返った。
目の前のエトーは腕を組んだまま、また大きくはぁ…と溜め息をついた。
「お前…知ってるよな?
先輩方が今まで何度も軽音部を作ろうとして挫折したこと」
立ち上がったままコクンと頷く。
「うちの頭カッチカチの校長が軽音部なんて学校の風紀を乱すだけだ、つって絶対に認めなかったんだよな?」
「そうだ。
その校長を…お前は納得させられるのか?」
「……エトー。
何事もやってみなくちゃ分からない。
いつもそう言ってるのはエトーだろ。
納得させられるのか?じゃない。
納得させるんだよ」
俺は今までにないほど真剣にエトーを見つめた。