Last Sound






「ヒューヒュー!!

よっ!楽、青春真っ盛り!!」


オッサンみたいなことを言っているのはエトーだ。



「や、やめろよ!」

いつも迫力ある楽も今日はなんの迫力も感じられない。



「照れんな、って。

澪のこと、お前がスキなのは百も承知だからさ。」


調子に乗った俺は言ってしまう。

楽の好きな人を。


そうすると楽の真っ赤だった顔は

もっと真っ赤になって。


もうそれこそ新鮮なタコをゆでた、みたいで。



「…お、おい?

楽、大丈夫か?」


思考停止なのか楽は何も言わなくて。



「波瑠斗…楽のこと、イジメすぎたんじゃねーの?」


エトーが心配そうに楽の顔を覗き込む。


すると



「あー!なんだよ!

悪いかよ!


俺、澪のことスキだよ!

だからなんなんだ!


あの詞、書いたのだって俺だよ!

それがなんなんだよっ!!!」



突然、大声で叫び出す楽。


あちゃー…

完全に、壊れちゃったな。







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