Last Sound
「が、楽?
その…悪かったよ、俺たちが。
だから…落ち着いてくれよ」
息を切らせ、ゼェゼェ言っている楽をなだめる。
「あ?」
お、おい。
頼むからそんな顔で睨むな。
「が、楽?
あのな、俺たちはお前をからかいたいワケじゃないんだ。
むしろ、応援してんだよ」
「ってか、波瑠斗。
さっきから『俺たち』って言ってるけど俺も含まれてる、ってこと?」
「うっせーよ、エトー。
ちょっと黙ってて」
「あ、悪い」
俺の気迫に負けたエトーは素直に謝る。
「…応援してる?」
「そう。俺とエトーは楽と澪がうまくいけば、って思ってる」
「波瑠斗とエトーが?」
「おう。そうだ。」
しばらくの間、楽は俺とエトーの顔を見つめていたが、
ふっと息をつくと
「波瑠斗とエトーの無礼は特別に今回は許す。
だから絶対に、口外だけはすんなよ」
と、言った。
若干、かなりの上から目線な感じが気になったが、
それでも楽の機嫌が直ったことだし、
一件落着、ってことで。