Last Sound
「はっ?!何言ってんの?お前」
「だから、エトーのバンドが見てみたい、って」
「なんでっ?!」
「え?理由、いる?」
しいて理由を作るなら、好奇心。
と、でも言えばいいんだろうか。
ともかく、エトーがライト浴びてステージで演奏してる姿を見てみたい。
「あ、そうだ。
波瑠斗先輩、それならいい方法がありますよ」
唖然としているエトーをよそに美雪が言う。
「いい方法?」
「はい。
高校のステージで演奏してる、エトー先生たちの映像、うちにあるんです。
それ、見るっていうのはどうですか?」
ナイスアイディア!
「それ、見たい!
持ってこれるか?」
「大丈夫ですよ。
あ、ちょっと待ってくださいね。
今、ちょうどお兄ちゃんが帰ってきてるはずなんで」
なんてタイミングなんだ!
そして美雪は携帯で少しの間会話をする。
「あ、今からお兄ちゃん、ビデオ持って学校に来るみたいです。
エトー先生に会いたい、って言ってました」
「え?バードが?
マジで?え?マジ?」
おい、どうした、エトー。
パニックになりすぎだぞ。